日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年4月15日端的に伝わる話し方とは?

 

★会議の参加者が気をつけるべき話し方がある


私は7年前から、会議を効率的・効果的なものにするファシリテーションセミナーの講師を務めています。会議をより生産的なものにするためには、主に『事前の準備』と『開始後の進行』の2つを改善する必要があります。これらは会議を主催したり取り仕切ったりする人が意識せねばならないことですが、一方で参加者にも意識すべきことがあります。それは、会議における発言の仕方です。
今回はこのことについてお話します。


★先日の会議で感じたこと


先日、私が参加したミーティングでこんなやり取りがありました。
A:「Bさんの提案はいいと思うのですが、実際に実現できますか」
B:「実現には3つのステップが必要でして、1つ目はすべての関係者の合意を得ることです。これには、関係各部の協力がどうしても必要になります。2つ目のステップは・・・」
A:「あの~、Bさん。私の質問に答えて欲しいんですが」
B:「ですから、この提案実現のための3つのステップを説明してるんです。それで、2つ目は・・・」
A:「いやいや、その説明の前に、この案が実現できるとお考えなんですね」
B:「そもそも私たちは、今後、働き方を変えていくことが必要で、この案はそのための具体策なんです。今のままだと・・・」

結局、BさんはAさんの疑問に最後まで答えませんでした。こういう場面は、どのミーティングでもよく見かけます。この場合、Aさんは「実現できるか」という質問をしているのですから、Bさんは真っ先に「実現可能です」と答えるべきです。その後に「但し、前提条件が3つあります」と説明すればAさんは安心してBさんの説明を聞くことができるでしょう。

 

★最初に発言の主旨を話す


話の最初に自分がこれから何を言いたいのか、という主旨を短い言葉で話す。これを実行するだけで話は驚くほど伝わりやすくなります。逆にこれを最初に言わないから上の例のように聞き手は「つまり何が言いたいんだろう?」とずっとイライラしながら話を聞くことになるのです。

ビジネス会話では効率性・効果性が重視されます。つまり「早く、正しく」伝わることが肝要です。そのためには、相手に自分の発言の主旨をいち早く分かってもらうことがとても効果的なのです。特に、会議での発言では、何が言いたいのか最後まで聞かないとわからない、という話し方をすると、時間をロスしてしまいますし聞き手にも伝わりにくいです。「Aさんの意見に賛成です」「3つの中では、2つ目の案が良いと思います」など、まず自分の主張したいことを短い言葉で話すことで、その発言はぐっとわかりやすくなります。

 

★最初に趣旨を言うことはどんな場面でも大事


これは、上司などに相談をする場合でもとても大事なことです。
「Yさん、ご相談があります。昨日、P商事にお邪魔したら部長がいなくて課長と話をしました。今度納入する商品について話をしたんですが・・・」といきなり、詳細な事実を話し始める人がいます。これは相談される側からするとどういうことを相談したいのかわからないまま話を聞くことになるので、とてもストレスに感じます。
「私の判断でよいか確認させてください」
「先方の真意がわからないので、アドバイスをいただきたいです」
「誰に相談すればいいかアドバイスが欲しいのです」
など、何を相談したいのかを先に言うと相手は安心して話を聞くことができます。

 

★端的に伝わる話し方を学びませんか?


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